絵を描きだした浪人生時代、刷毛の洗い残った石鹸が奇跡を起こしてくれました。 鬱々とした制作に嫌気を感じ乱暴に刷毛を動かしていると、プクプクプク…と何とも可愛らしい宝石が広がっていきます。 それはやがて消え、少しばかりの痕跡を残すだけ。 その健気な存在が、私の制作の道しるべになりました。
キラキラと輝く様子はまるで宝石。 ただ瞬く間に変化し、消えていく。 我儘な私はそれを支配したくてたまらないのです。